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精油プロフィール 〜ローズ〜

AEAJアロマテラピー検定1級2級範囲


原料植物名:キャベジローズ

科名:バラ科

学名:Rosa centifolia

産地:トルコ・フランス・ブルガリア・モロッコ

抽出部位:花

抽出法:蒸留法・有機溶剤抽出法

特徴成分:ゲラニオール・ローズオキサイド

備考:低温で固まる・妊娠36週以降OK


《植物のストーリー》

Rosa centifoliaは様々な品種の交配種とされており、ロサ・ガリカ、ロサ・フォエニキア、ロサ・モスカータ、ロサ・カニナさらにダマスク・ローズ、アルバ・ローズと、さまざまな原種が複雑に関わった雑種。16世紀ごろオランダで作り出されたものと考えられている。花弁が多いという特徴があり「キャベジローズ」や「ハンドレッド・ペタルド・ローズ」と名付けられた。収穫期は5〜6月、開花前の早朝に全て手摘みで収穫される。

数々の女性が愛したローズ。クレオパトラもその1人で、当時巨大化するローマと渡り歩くために、ローズを使った政治戦略を行い、見事にカエサルやアントニウスを魅了し結婚する。(カエサルが殺された後、アントニウスと結婚している。)


《香りの特徴》

ローズは抽出法により呼び方が変わる。水蒸気蒸留法であれば「ローズオットー」、有機溶剤抽出法であれば「ローズAbs」。香りの強さや印象も変わり、オットー精油の方が繊細な印象を持つ。芳香成分には600以上もの成分が複雑に関係しあい香りを構成しており、全てを理解することはできていない。

ホルモンバランスを調整することが得意で、婦人科系の不調時に心強い働きをしてくれる。穏やかな強壮作用と神経過敏の不調時にも使える。


《ギリシャ神話》

学名のRosaはギリシャ語で赤を意味する。薔薇の真紅は草木の神アドニスの血の色を表す。

フェニキアの王であるキニュラースの家系は昔からアプロディーテー(愛と美と性を司る女神)を信仰していた。ところが親族の誰かが「ミュラー(キニュラースの娘)の方がアプロディーテーより美しい」と漏らす。このことが気に入らなかったアプロディーテーは、ミュラーがお父さんであるキニュラースに恋するように仕向けた。

キニュラースに恋してしまったミュラーは思い悩んで乳母に打ち明けた。憐れんだ乳母は二人を引き合し、自分の娘とは知らないキニュラースは、娘と一夜を共に。その後娘の顔を見たキニュラースは激怒しミュラーを殺そうとする。

ミュラーはアラビアへ逃げ延びるのだが、それを哀れに思った神々はミュラーをミルラの木に変えてしまう。そしてその木に猪がぶつかり木が裂けて生まれたのがアドニスです。


アドニスは赤ちゃんですが、とても美形でアプロディーテーが恋に落ちる。そしてアドニスを箱に入れてペルセポネーという女神に「絶対中身を見るな」と言って箱ごと彼女に渡した。絶対見るなと言われると見たくなってしまうのは人間だけではないようで、ペルセポネーは箱の中身を見てしまう。そこでまたペルセポネーもアドニスに恋をしてしまった。そしてしばらくの間ペルセポネーがアドニスを育てることになった。

月日が流れてアドニスが大きくなり、アプロディーテーが迎えにくる。だがペルセポネーはアドニスを渡したくなかった。女神たちはアドニスをめぐって争いになり、ついには天界の裁判所(ゼウス)で決着をつけようとする。判決は1年の1/3はペルセポネーと、1/3はアプロディーテーと、1/3はアドニスが自由に過ごすようにとなった。ところがアドニスは自由に過ごせる期間もアプロディーテーと過ごすようになり、気に入らないペルセポネーはアプロディーテーの恋人のアレースに告げ口。怒ったアレースは猪に変身し、狩をしていたアドニスを殺してしまう。


アプロディーテーはアドニスの死を悲しみ、流した赤い涙が白い薔薇を赤に変え、アドニスが流した血から真っ赤なアネモネが咲いたと言われている。


アプロディーテーは実は結婚している。ゼウスの命令で、ヘパイストスという鍛冶の神様(ゼウスの妻のヘラが一人で産んだ神様)と結婚していた。ヘパイストスは足が悪く顔も神様の中でも一番醜かったと言われている。(天界も人間界も色々あるんですね。)


美の神様であるアプロディーテーは夫であるヘパイストスを拒むようになり軍神アレースと不倫。そのことを実子エロスが知り、夫に知られることを恐れたアプロディーテーは沈黙の神に頼みエロスの口を封じてしまう。その際に沈黙の神に送ったのは真っ赤な薔薇と言われており、このことから薔薇は秘密を暗示するものとなりました。


ローマ帝国末期では天井から薔薇が吊るされた宴会での席の話は他言しないようにという風習があり、16世紀中期のローマ教会の懺悔室では薔薇が吊るされています。この風習から「under the rose」というと秘密にという意味ができたそうです。

《利用法》

スキンケア:フローラルウォーターで化粧水・希釈オイルで保湿

芳香浴:ストレス性の神経の疲れに

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